こんにちは！今回は中国で2024年に大ヒットした映画「YOLO 百元の恋」とその基となった日本映画「百円の恋」について、その感想や見どころをネタバレなしでご紹介します。
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日本映画「百円の恋」について
監督：武 正晴 脚本：足立 紳
主演：安藤サクラ
上映時間：113分 区分：PG-15
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2014年に公開されたスポーツ恋愛映画。
主演の安藤サクラさんの体当たりな演技が話題となり、異例のロングランヒットを記録。安藤さんは今作で第39回日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞されています。
また第39回日本アカデミー賞の最優秀脚本賞など、国内外合わせて21個の映画賞を受賞。更には第88回米アカデミー賞外国語映画賞の日本代表にも選ばれた作品です。
映画レビューサイトFilmarksでは3.8/5、Movie Walkerでも4/5と高評価であることが伺えます。
予告編動画
あらすじ
32歳の一子（安藤サクラ）は仕事もせず、実家に引きこもってダラけた生活を送っていた。唯一の楽しみは近所のボクシングジムで練習するボクサー・狩野（新井浩文）をこっそり見ることだった。ある日、離婚して実家に出戻った妹と大喧嘩したことから一子はついに家を出ることに。近所の百円コンビニでバイトを始めたある夜、狩野が客として来店したことをきっかけに二人は距離を縮めていき、何となく一緒に住み始めるが…。
感想と見どころ
私は中国リメイク版の方を先に鑑賞していたので、まず作品の雰囲気が大きく違うことにびっくりしました。
全体的にシリアスなトーンで描写もリアル。一子がバイトを始めたコンビニの店員たちがなかなか癖のある方たちばかりで、中には胸糞悪いシーンもありました。
やはり見どころは後半の試合に向けてのトレーニングシーンとクライマックスの試合。最初はたるんだ体でひ弱そうだった一子ですが、だんだん体が引き締まり、フォームも様になっていくのがカッコよかったです。安藤サクラさんがわずか2週間で体を鍛えて撮影に臨んだと知ってびっくりしました！
仕事もせず、恋愛経験もなく、何にも打ち込んでこなかった負けっぱなしの人生で一度でも勝ってみたいと何度も立ち上がる一子の姿には胸を打たれました。
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鑑賞方法について
現在提供されている「百円の恋」の視聴方法についてまとめてみました。
動画配信サービスでの配信／レンタル
こちら以外にもAppleTV、楽天TVなどの動画配信サービスでレンタル視聴可能、TSUTAYAなどのレンタルサービスでも取り扱いがあるそうです。
現在見放題配信されている動画配信サービスはU-NEXT、Hulu、Amazon Prime Video、DMMTVの4つでした。（※2024年7月時点）
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DVD・Blu-rayについて
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中国リメイク版「YOLO 百元の恋」について
監督・主演：賈玲 (ジャー・リン)
原題：热辣滚烫 英題：YOLO（You only live once）
上映時間：129分 区分：PG-12
公式サイトはこちら
2024年2月に中国で公開され、興行収入約730億円を超えたメガヒット作品。中国でリメイクされた日本映画の歴代最高興行収入を記録しています。
今作は監督・主演を務めたジャー・リンさんが「百円の恋」での安藤サクラさんの演技に感銘を受けたことからリメイクのオファーをして制作が決定したという経緯もあり、「百円の恋」の監督や脚本家、プロデューサーも監修として参加していたそう。
中国のエンタメレビューサイト 豆瓣 (Douban)では7.6/10となかなかの高評価。この作品の影響で中国のボクシング人口が増加するほどの社会現象を巻き起こした話題作です！
予告編動画
あらすじ
32歳のローイン（ジャー・リン）は大学を卒業して以来、仕事もせず実家に引きこもっていた。怠け者で家族にも呆れられていたある日、彼氏が親友と浮気していたことを知ってしまう。その上、離婚して実家に出戻った妹と大喧嘩し、ついに彼女は家を出ることに。生活のため、飲食店で働き始めたある日、偶然出会ったボクサーのハオ・クンに一目惚れし、彼がトレーナーをしているボクシングジムに入会する。大事な試合を控えた彼を支えることに生きる希望を見出していくが…。
監督・主演 ジャー・リンさんについて
ジャー・リンさんは1982年中国湖北省出身。2003年に中央戯劇大学を卒業後、中国漫才や喜劇の舞台などで活躍してこられました。中国のSNS Weiboではフォロワー数が1760万人を突破、現在中国を代表するコメディアンの一人で好感度も高い国民的な人気スターです。
2021年には映画『你好，李煥英』（邦題『こんにちは、私のお母さん』）で監督デビュー。脚本・主演も彼女が務め、当時中国国内で歴代2位の興行収入を記録しています。
ジャーさんは今作の役づくりのため、表舞台から1年以上姿を消し、まずは85kgだった体重を20kg増量。そこから撮影を開始し、厳しいボクシングトレーニングと食事制限を経て、なんと50kgもの減量に成功します！1年以上の空白を経て、自身のWeiboに新作映画のお知らせと姿を消していた理由について投稿したのが大きな話題となり、また減量後のジャーさんの大変身ぶりはとても大きな反響を呼びました。
感想と見どころ
日本では2024年7月5日からの公開ですが、私は現在中国在住なので中国国内向けの動画配信アプリで鑑賞することができました。（※現在は公開終了）今作は日本版とは違い、コメディタッチだったので観やすく、作品に入り込みやすかったです◎
冒頭の主人公ローインの怠け者ぶりはひどかったですが、ハオクンと出会ってからは恋する様子が可愛らしく、クライマックスの試合では過去の悔しさや辛かった出来事全てをバネに立ち上がっていく姿に応援したくなりました。
そしてとにかくジャー・リンさんの体を張った役づくりに脱帽でした。元々ふくよかな体型の方でしたが、映画の冒頭では更に太っていて、そこから後半のボクシングに打ち込み始めてからの変化がすさまじく、彼女のこの作品にかける想いが伝わってきました。
私が一番感動したのがローインが試合の前、リンクに上がるまでの道のりで過去の自分と微笑みあうシーン。過去のダメダメだった自分も受け入れ、自分のために闘おうとしている姿にクライマックス前から涙してしまいました。
またエンドロールではジャーさんがトレーニングに励む姿や彼女がスマホのメモに記録していた毎日の体重の変化と日記が見れて、こちらもグッときました。
クスっと笑えながらも感動的なシーンでは泣けて、主人公の闘う姿を応援したくなる、とても元気を貰える作品でした。
日本版との違い
ざっくりですが、日本版と違っていた点についてまとめてみました。
・全体の雰囲気
→日本版はシリアスな雰囲気で淡々と進んでいく印象でしたが、中国版は監督のジャーさんがコメディアンということもあり、冒頭からライトなコメディタッチで観やすい作品でした。後半はドラマチックな展開に感動するシーンもあり、作品全体の印象が大きく違うように感じました。
・現代中国に合わせた設定
→日本版は10年前の作品なので、今観るとやや古く感じる部分も。中国版では現金を使うシーンが電子マネーになっていたり、SNSも使われていたりと、現在の中国の生活事情に合わせて上手くリメイクされていたように感じました。
・ラストの主人公の選択
→ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、クライマックスとなるボクシングの試合の後、ローインがした選択が真逆でした。どちらの選択が好きかは意見が分かれそうでしたが、私は中国版の方が強い女性らしくてカッコいいと感じました。
両作の違いについてまとめましたが、ボクシングのトレーニングシーンや試合のシーンなどは日本版とシンクロと言っても過言ではないほど忠実にオマージュされていて、ジャーさんの日本版へのリスペクトが伝わってきて嬉しかったです。
まとめ
今回は日本映画「百円の恋」とその中国リメイク版「YOLO 百元の恋」についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか？参考になれば嬉しいです。
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